大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和27(オ)724 判決

主 文

原判決を破棄する。

被上告人の控訴を棄却する。

当審及び原審の訴訟の総費用は被上告人の負担とする。

理 由

上告代理人弁護士坂本好男、同角恒三の上告理由は別紙記載のとおりである。

自作農創設特別措置法一五条一項二号による宅地建物のいわゆる附帯買収が農地

の売渡に附随して行われるべきことは同条の規定上明白であり、その趣旨からいえ

ば、宅地建物を買収することができるのは、その宅地建物が売渡農地の経営上必要

な場合に限定されるものと解するのを相当とする(昭和二六年一二月二八日第二小

法廷判決、判例集五巻一三号民八四九頁)。そして同法によつて農地の売渡を受け

た者の耕作農地のうち売渡を受けた面積が僅少部分に過ぎない場合は、宅地建物が

その者の農業経営上必要であるからといつて直ちに売渡農地の経営上必要であると

はいえないのであつて、このような宅地建物まで買収することは、その宅地建物と

売渡農地との間に特別の関係のない以上、右一五条に規定するいわゆる附帯買収の

趣旨に合しないものといわなければならない(昭和二七年八月二三日第三小法廷判

決、判例集六巻八号民七二三頁)。これを本件について見るに、原判決が確定した

事実に基けば訴外D、同E、同Fはそれぞれ農地の売渡を受けているけれども、そ

の面積はそれぞれの耕作している農地の僅少部分に過ぎず、しかも原判決の認定す

るところによれば本件宅地建物と売渡農地との間に、附帯買収を正当とするような

特別の関係も認められず、従つてこれを附帯買収することは同法一五条の趣旨にそ

わないものといわなければならない。原判決が右訴外人等の農業経営上必要である

からといつて本件買収計画を正当とし上告人の請求を理由がないものとしたのは法

令の解釈を誤つた違法があり破棄を免れず、そして原判決の確定した事実に基けば

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第一審判決が上告人の請求を認容し、右計画を是認した被上告人の訴願裁決を取り

消したのは正当であり、被上告人のした控訴は理由がないから棄却すべきものとし、

民訴四〇八条一号、三八四条、九六条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で主

文のとおり判決する。

裁判官井上登は退官につき本件評議に関与しない。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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